3 課題解決型研修の例

解決手法を学びながら、実際(自職場)の課題解決に挑戦!

はじめに

人間は、成果に結びつくことにやりがいを感じ、一生懸命に打ち込めます。
本気になるから意見がぶつかる、議論を尽くしてこれを乗り越えるから新しい発見があり、成果が得られるのです。
こういった討議の中からこそ、本当の信頼関係が生まれ、知らず知らずのうちに人間関係も良くなってきます。
話し合うことだけが目的の研修では、大した意見のぶつかり合いもなく、「無難にこなす」といった討議になりがちです。
自分の仕事にかかわりのない「練習問題」を繰り返しても、負担を感じるばかりで、やる気も失せてしまうでしょう。

自分たちの組織課題を発見し、解決に挑戦!

従って、真剣に取り組める問題、すなわち、自分たちの仕事に直接関係のある問題を選ぶことが、研修を成功(=業績向上)させるカギとなります。
人間は環境に左右される生き物です。いくら職場から選抜されて「研修」に参加し、そこで大いに刺激を受けて戻ってきても、職場環境が従前通りであれば、熱も冷め、意欲も萎えてしまうでしょう。
そこで、組織全体(部単位や支店単位等)にアプローチし、全体のレベルアップを図っていく研修が、(基礎研修など実施以後の)次のステップとして必要となってきます。

各種研修がバラバラでは
効果は望めない

また、一般的な階層別研修では、「新入社員にはあの教育を、主任にはこれを、課長にはこれを・・・」と進めている場合が多く、このように研修を行なうと、ものの考え方やとらえ方が階層によってバラバラになってしまいます。
しかし、同じ問題を解決するにも同じ手順、共通のものさし、共通の用語を使ってやり取りした方が、意見交換も活発になり、職場での話し合いもスムーズになり効果的です。
そのためには、職場ぐるみで取り組む研修が望まれます。

業績として反映されているか、結果が見やすい

加えて、組織能力育成の研修(職場別、課題別、職場開発など)は、個人能力育成の研修に比べると、成果が見えやすく、且つ、経営的課題(売上・利益など)にも直接結びつきやすいという点があります。
さらに、職場別、課題別の問題解決研修は(経過、結果を含めて)、数字に表しやすく、職場や会社全体の「組織」に働きかけるので、組織風土が変わりやすくなるという点もあります。

「楽に(誰でも)解決できるもの」「成果が既に出ているもの」「解決しても業績に結び付かないもの」・・・といったスキがないか、テーマ選定の時点から厳しく点検・診断していきます。

「課題解決型研修」は、組織を挙げて取り組むと効果的です。
トップ自らが推進委員長となり、「推進員会」を設け、各部署・職場でも職制に沿って「推進委員会〇〇支部」といった組織を明確にすることが効果につながります。
悪い例として、「ちょうどいい新人がいた。キミに推進委員を頼むヨ!」といった姿勢では、組織活性化&業績向上には結びつきません。

『なぜ仕組み・組織づくりが必要なのか?』…
その意義について

1)組織能力育成の研修は、単なるその場かぎりで終わっては、効果が得られないからです。
勉強したことを受けて、実際に課題を設定し、解決して行くプロセスの中でいろいろなメリット(①教育効果そのもの ②メンバーの結束 ③リーダーへの信頼 ④業績への影響など)が生み出されてきます。
そのため、一過性で終わらないための「仕組み作り」を行なって、部単位で、あるいは全社を挙げて『運動』として回す(展開)ことが望まれます。

2)マネジメントがしっかりしていれば、仕事の管理や部下指導なども上手く行くでしょうけれど、実際は職場間にはレベル差があるのが現実です。
向上を目指しこの差をなくしていくためには、『運動』として回す(展開)必要があるわけです。
その結果として会社全体のレベルアップを図っていく訳です。